日本に学ぶ癒やしと綺麗の智慧 Vol.2 神奈川県・箱根
SUMMARY
- ・都心から約1時間半で到着する閑静な隠れ家
- ・美人湯三昧、そして湯治セラピーで整う
- ・まとめ
自然に溶け込み、春に向けて活力を養いリフレッシュ
世界中のホテルスパを取材し、各地の健康や美のルーツを体験し続けている、トラベル&スパジャーナリストの板倉由未子さんが執筆するコーナー。
今年は毎月、日本の1地域にフォーカスを当て、その土地に根づく“おばあちゃんの知恵袋”的なウェルネスメソッドを、温泉やスパトリートメント、文化体験などから紐解いていきます。
その土地の健康法や癒やし、滋味あふれる食事について探りながら、日本を一緒に旅してみませんか?
今回は、神奈川県・箱根の「はつはな」についてです。
都心から約1時間半で到着する閑静な隠れ家
首都圏に住む人にとって、身近な温泉地のひとつ箱根。実に開湯は、奈良時代にさかのぼります。現在では“箱根二十湯”といわれるほど多くの温泉場がありますが、太古の癒やしを感じられる場所といえば奥湯本。
「はつはな」は、1200年以上もの間、こんこんと温泉が沸き上がる湯坂山を目前に望み、眼下に須雲川が流れる、その静かな場所にあります。
1993年の開業以来、心温まるおもてなしに定評があるホテルでしたが、昨年9月、“心と五感が満ちる静かなとき”をコンセプトに、さらにプライベート感を重視したラグジュアリーなホテルに生まれ変わりました。
ラウンジの奥には、ホテルを象徴する「展望テラス」があり、春には淡いピンクの山桜、秋には黄金色の紅葉など、季節ごとに箱根の美しい景色を一望できます。
35室・13タイプあるすべての客室に、自家源泉の露天風呂を完備。室内は、「宙」、「白」、「地」の桜をイメージしたやさしい色合いでデザインされています。
ダイニング「はなゑみ」の個室で味わう食事では、味わい豊かな地元・神奈川県産の有機野菜や相州牛、土釜で炊かれた小田原米などを楽しめます。また、使い捨てアメニティの廃止、海洋プラスティック製のベッド、箱根の間伐材を使った箸やコースターの提供など、環境への配慮も感じられるホテルです。
美人湯三昧、そして湯治セラピーで整う
滞在の最大の魅力は、あらゆる情景を楽しみながら湯巡りができること。
客室の露天風呂のほかに、2つの大浴場と4つの趣の違う貸切風呂(1回45分無料・要予約)があります。貸切風呂のひとつ「水面(みなも)の湯」では、箱根の自然が水面に美しく映り込む様子を楽しめます。
お湯はアルカリ性の単純温泉で、軽やかな感触が心地よく、角質除去作用もあるので、肌がすべすべになります。
「リラクゼーション まほろみ」では、“湯治セラピー”をコンセプトに、1泊2日の滞在で、浄化→調律→循環を叶える「まほろみトリートメント」を体験できます。
最初に温泉水を一口飲み、浄化塩を使った足浴からスタート。ベッドに横たわると音叉が鳴らされ、場が清められます。
その後、フランキンセンスなど数種の精油をブレンドしたオイルを用いて、全身のマッサージが施されます。
特に足裏から股関節にかけて、強めの圧でしっかりケアされるのでむくみが改善。トリートメント後、体が軽くなり疲労回復を実感できるのです。
まとめ
少しずつ春の訪れを感じながらも、長かった冬の疲れが溜まり、なかなかアクティブに行動できない人も多いでしょう。
まずは1泊2日で箱根を訪れ、温泉を満喫しながら大自然のパワーを享受。さらに、体の水分の滞りをスムーズにするトリートメントで、心身を整えてみてはいかがでしょう。
来月には、ホテルのエントランスにあるソメイヨシノを始めとした桜(はつはな)が、あなたをやさしく迎えてくれるはず。春はもうすぐです!
はつはな
神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20-1
℡0460-85-7321(受付時間10:00~19:00)
料金:1泊¥48,000~(2名1室利用時1名あたり、税・サ込、夕朝食付)
スパ:まほろみトリートメント 60分¥19,000(税込・90分、120分のコースもあり)
アクセス/箱根登山鉄道・箱根湯本駅から車で約10分。路線バスで約15分。
https://www.hakone-hotelhatsuhana.jp/
トラベル&スパジャーナリスト
板倉由未子
Yumiko Itakura
『25ans』などの編集者を経て現職に。世界を巡り、土地に息づく癒やし、健康、食、文化をテーマに、各メディアで五感に訴える旅企画を提案&執筆。政府の国際機関や観光局、企業主催のセミナーなどでも、スピーカーを務める。また、イタリア愛好家としても知られ、『イタリアマンマのレシピ』(世界文化社刊)を構成&執筆。また、昨年11月から始まった日本政府観光局のグローバルキャンペーンでは、リラクゼーション分野の専門家として、日本の癒やしについて語っている。Expert Insights Go Deep Into Japan
photos:Yumiko Itakura