ヘアケアで大切なポイントとは?必要な栄養素やシャンプーの選び方もご紹介
SUMMARY
- ・ヘアケアを行う重要なポイント
- ・髪によい食べ物を紹介
- ・髪に悪い食べ物
- ・シャンプーの選び方
- ・まとめ
髪の硬さ・うねり・ボリューム不足など、髪に関するお悩みは人それぞれですが「きれいな髪でいたい」願いは同じでしょう。本記事では、健康な髪でいるために、ヘアケアで大切なポイント、髪に必要な栄養素やシャンプー選びを詳しく紹介します。
ヘアケアを行う重要なポイント
ヘアケアを効果的に行うためには、髪そのものやダメージの原因、正しいケアの方法などを知りましょう。ここからは、ヘアケアのポイントを5つ紹介します。
● 髪の状態や髪質への理解を深める
髪の状態を知るときに着目したいものがキューティクルです。髪の表面には、魚のうろこのようなキューティクルという組織があり、これが髪の内部を守ります。キューティクルは薄くてデリケートな組織で、熱や摩擦などのダメージを受けるとはがれます。
また、髪の状態と共に注目したいものが髪質です。日本人の髪質は、大まかにわけると次の4種類です。
• 直毛
• くせ毛
• 剛毛
• 猫っ毛
髪質は人によって異なるため、髪質に合うヘアケアが重要です。
● 髪にダメージを与える原因を把握する
髪にダメージを与える原因はさまざまです。主な原因を4つ、以下に示します。
• 熱
• 湿気
• 紫外線
• 薬剤
髪の表面のキューティクルは熱に弱く、ドライヤーやヘアアイロンでダメージを受けます。ドライヤーは髪が熱くなりすぎないよう温冷切り替えができる製品を、ヘアアイロンは髪に負担を与えにくい素材でできた製品を選ぶことがおすすめです。
雨の日は湿気で髪がまとまりにくくなります。ドライヤーを長く当てたり、無理にブローしたりすると、髪にダメージが加わります。髪質に合ったトリートメントやスタイリング剤を使って、髪へのダメージを防ぎましょう。
紫外線を浴びると、髪は日焼けをしてダメージを受けます。外出時には日傘をさしたり、髪に日焼け止めスプレーをしたりしましょう。また、濡れた髪は紫外線を吸収しやすくなるため、濡れたままの髪で出掛けないようにします。
カラーリングやパーマの薬剤は、髪にダメージを与えます。できるだけ髪にやさしい薬剤を使うようにしてください。最近ではブリーチとヘアケアを同時にできる施術法もあります。
● 髪に必要な栄養を摂取する
髪の健康に欠かせない栄養素は、亜鉛・タンパク質・ビタミンBです。ビタミンA・ビタミンEは、タンパク質の吸収を促す働きがあります。ミネラルの1つであるヨウ素は、新陳代謝をうながして髪の成長を助けてくれます。
このような栄養をバランスよく摂ることが、髪の健康につながるでしょう。
● シャンプーやトリートメントの正しい使い方を知る
シャンプーやトリートメントの手順は、ほかの人と比べることがほとんどないため、自己流になりやすいといえます。正しい使い方を確認してみましょう。
髪を洗う時間帯は夜がおすすめです。1日の汚れを髪に残したまま夜寝ると、頭皮のトラブルの原因になる恐れがあります。朝ではなく、夜のうちにシャンプーをしましょう。
シャンプーは、まずお湯だけで髪と頭皮の汚れをよく落としてから、シャンプーをとって髪の根元からやさしく泡立てます。髪は根元から毛先に指を通すように洗い、頭皮は指の腹でソフトにマッサージします。髪をこすり合わせるのは髪を傷めるため避けてください。
すすぎは十分に行いましょう。泡がなくなったと思ってから、さらに10秒ほど長めにすすぐことがポイントです。
コンディショナーは毛先を中心に髪に馴染ませてから、髪の根元にも馴染ませます。ポイントは、すすぎです。コンディショナーを残さないように、髪や頭皮にヌルついた感触がなくなるまでしっかりすすぎましょう。
● タオルやドライヤーでの髪の乾かし方に気を付ける
濡れた髪のまま寝ると、髪がこすれて傷みやすくなります。髪を洗った後は早めに乾かしましょう。乾かす際に気を付けたいポイントを解説します。
頭皮はソフトにマッサージするように、髪はこすらず押さえるように、タオルで水分を吸い取ってください。常に「やさしく」が原則です。
ドライヤーは、最初に前髪を、続いて髪の根元を乾かします。髪が半分ほど乾いたら、髪の中に指を入れてドライヤーの風をやさしく当て、髪の内側を乾かします。根元が乾いたら手ぐしで髪を整えながら全体を乾かし、髪全体が乾いたのちにドライヤーの冷風を当てましょう。これにより、髪から水分が蒸発しすぎることを防ぎます。
ポイントは、ドライヤーの風を同じ所に当て続けないよう小刻みに動かすことです。ヘアブラシを使わずに、手でやさしく乾かしてください。
髪によい食べ物を紹介
髪を体の内側からケアするために、食べ物にも気をつかいたいものです。ここからは、髪によいといわれる食べ物を8つ取り上げます。
● タンパク質を多く含む牛肉
髪はタンパク質からできているため、タンパク質を含む食べ物はきれいな髪に欠かせません。
とくに、赤身肉には、鉄・ビタミンB群・亜鉛などが多く含まれます。ツヤのある髪を目指す人におすすめの食べ物です。
脂肪を摂りすぎないよう、脂身の少ない部位を、なるべく油を使わずに調理してください。
● ビタミンとタンパク質を同時に摂れる魚介類
魚介類はタンパク質と不飽和脂肪酸を豊富に含む食べ物です。
タンパク質は髪を作る成分として必須の栄養素です。また、不飽和脂肪酸はツヤのある髪を作るのに重要な働きをすると考えられます。特に、サンマをはじめとする青魚には頭皮の健康に必要なビタミン類も含まれます。
EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸は熱に弱く、油で揚げると壊れてしまいます。効率的に摂取したいときは、魚を生あるいは焼いて食べることがおすすめです。
● イソフラボンが髪によい豆製品
大豆で作られた豆腐・豆乳・納豆なども、髪によい食べ物・飲み物です。このような豆製品には、良質のタンパク質のほか、鉄・食物繊維・イソフラボンが豊富に含まれます。イソフラボンには肌を健康に保つ働きがあり、髪にもよいとされます。
● 亜鉛やビタミン・ミネラルが豊富な牡蠣
牡蠣は髪によいといわれる成分をバランスよく含む食べ物です。
牡蠣に多く含まれる亜鉛は、髪の成長をうながし、髪の色の元となるメラニンの生成にも影響を与えます。また、牡蠣はタウリンやリジンも含んでいます。これらは血行を促進し栄養素の吸収やタンパク質の生成を助けしてくれます。
● 鉄分をたっぷり含んだレバー
レバーは健康な髪に必要とされる、鉄分・ビタミンB群・亜鉛・必須アミノ酸など、さまざまな栄養を豊富に含んでいます。
レバーが貧血によいことはよく知られますが、貧血の症状が出ると髪が弱く薄くなるおそれがあるため、貧血の予防は髪の健康にもつながります。レバーは貧血だけでなく髪にもよい食べ物だといえるでしょう。
● ミネラルが育毛を助ける海藻類
海藻は髪に必要なミネラルが豊富で、髪の主成分であるケラチンの合成をうながす食べ物です。海藻の緑色の成分であるクロロフィルaはケラチンと結合し、髪を強くする働きがあります。
また、海藻の中でも、ひじきや海苔は鉄分を多く含んでおり、白髪や抜け毛の対策にもよいといわれます。
● ビタミンで身体をケアしてくれる緑黄色野菜
緑黄色野菜にはビタミン類・鉄分・カルシウム・鉄分が含まれます。髪だけでなく体全体をケアしてくれる食べ物です。
また、緑黄色野菜に含まれるカロテノイドの1つ、β-カロテンは、体の中の活性酸素を除去し老化を抑制する効果が期待されます。β-カロテンは脂溶性であるため、油を使った調理で吸収率が上がります。
かさが減って食べやすくなる利点もあるので、炒め物や揚げ物にすることがおすすめです。
● 血行をよくするニンニク・タマネギ
髪の健康のためには、頭皮の血行をよくすることが重要です。
栄養は血液にのって体中に運ばれます。血行が悪いと、髪を生む毛母細胞の働きが悪くなります。
血行をよくする効果のあるニンニクやタマネギは、日常的に食べたい食品です。
髪に悪い食べ物
髪によいとされる食べ物がある一方で、悪いとされる食べ物もあります。
たとえば、揚げ物・スナック菓子・甘いお菓子など、脂質や糖質の多いものです。このようなものを食べすぎると、血行が悪くなり頭皮へ栄養が届きにくくなる恐れがあります。
また、アルコール類の摂り過ぎも髪によくありません。アルコールの摂取が肝臓に負担をかけ、髪を作るタンパク質の生成が妨げられることがあります。
塩分の摂りすぎも髪によくないといわれます。血管が衰えて血流が悪くなると、髪の健康が損なわれるでしょう。カップラーメンをはじめとする加工食品は塩分が多く含まれるため、食べ過ぎに注意してください。
これらの食品は、食べてはいけないわけではありません。ただし、量はほどほどにして、髪によい食品とともにバランスよく食べるように心掛けてください。
シャンプーの選び方
ヘアケアでは、シャンプー選びも重要です。何を重視して選べばよいか、3つの観点から解説します。
● 髪質に合わせる
髪質でシャンプーを選ぶとき、髪の硬さが気になる人には保湿成分やオイルを含むシャンプーがおすすめです。オイルにはホホバオイルやツバキオイルなどの種類があります。
髪のくせやうねりが気になる人は、保湿成分が含まれたシャンプーを選びましょう。また、シリコン入りのシャンプーを使えば、髪がなめらかになります。
柔らかい髪でボリュームが足りないと感じる人は、ハリやコシを与える成分が配合されたシャンプーを選んでください。
髪質を見極めて、自分に合ったシャンプーを見つけましょう。
● 肌質に合わせる
肌質とは、髪が生まれる元となる頭皮の状態です。主に以下の3種類があります。
• 乾燥肌
• 脂性肌
• 敏感肌
乾燥肌の人には、頭皮にうるおいを与えるアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。泡立ちや洗浄力はほかのシャンプーに比べて低いですが、肌への刺激が少なく、保湿力が高いことが特徴です。
加齢により脂性肌へ変化したときは、酸化した脂質による脂っぽさを取り除くようなオイル系や炭酸シャンプーが向いています。
若い世代の脂性肌には、洗浄力の高い高級アルコール系シャンプーが最適です。泡立ちがよく、髪と地肌をさっぱり洗えます。洗い過ぎて乾燥が気になる場合はアミノ酸系、デリケートな肌の人には石けん系がよいでしょう。
敏感肌の人は、動物性や植物性の油脂で作られた石けん系のシャンプーが向いています。天然素材ならではの低刺激シャンプーですが、洗浄力は高く、汚れをきちんと落とします。ごわつくような感じが気になる方は、トリートメントでケアしましょう。
● 好みに合わせる
肌質や髪質に合わせるだけでなく、使う人の好みを重視してシャンプーを選ぶ方法もあります。
たとえば、シャンプーに含まれるシリコンの有無があげられます。シリコンは髪をしなやかに整える成分ですが、髪本来の手触りとは違うと感じる人もいるようです。そのような方はノンシリコンのシャンプーを選びましょう。
香りで選ぶことも1つの方法です。フルーティ・フローラル・ハーブなど、さまざまな香りのシャンプーがあります。また、香りが少ないものを選ぶ選択肢も考えられます。好きな香りのシャンプーが見つかれば、リラックスしたバスタイムを過ごせるでしょう。
まとめ
ヘアケアを効果的に行うには、髪の理解や髪によい食事を心掛けること、自分に合ったシャンプーやトリートメントを選ぶことなど、さまざまなポイントがあります。自分に合ったヘアケアを選び、健康な髪で過ごしましょう。
記事監修
中山樹先生
ALMOND CLINIC
日本美容外科学会、日本内科学会所属 順天堂大学卒業。
大学病院、市民病院に勤務後、大手美容クリニックにて美容外科・美容皮膚科の経験を積む。
現在は東京都新宿区 ALMOND CLINIC院長として美容医療・再生医療に携わる傍ら、
医療に関する記事の監修も多数行っている。