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熱中症の時は何を食べたらいい?おすすめの栄養素と食べ物

SUMMARY

  1. ・熱中症になりにくい習慣とは
  2. ・熱中症時に補給したい栄養素
  3. ・熱中症対策に効果のある食べ物
  4. ・まとめ

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猛烈な暑さが続き、夏バテや食欲不振を感じる人が増えています。とくに最近よく耳にする熱中症は、暑さによって体温調節が機能しなくなったり体内に熱がこもったりする、非常に怖い病気です。
今回は、熱中症予防に効果のある食べ物や、熱中症になってしまったときに取り入れたい栄養素を紹介します。

熱中症になりにくい習慣とは

記録的猛暑の影響で、ここ数年は熱中症で病院へ搬送される人が非常に多く、熱中症情報を配信する地域が増えてきました。熱中症は、屋内で何もしないときにも発症し、重症化すると意識障害や多臓器不全を起こす病気です。
以下で、熱中症予防のために普段から意識したいポイントを紹介します。

暑さ・日差しを避ける

熱中症の予防には、帽子や日傘の着用が大切です。暑い日中の外出時や炎天下での活動時は、熱中症になる可能性が高まるため、直射日光を受けないように心がけます。
日陰を歩いたり、こまめに休息をとったりすることもおすすめです。
室内ではエアコンや扇風機を利用し、室温が28度を超えないように調節し、湿度を40%から60%に保つことが大切です。
さらに、遮光カーテンやロールスクリーンなどで窓からの日光を遮ることで、室内の温度を調整できます。

こまめに水分補給する

水分補給を怠ると、体内の水分不足で体温が上がり、熱中症になる可能性が高まります。「喉が渇いた」と感じるときは既に身体が脱水状態であるため、喉が渇いていなくてもこまめに水分を摂ることが大切です。
また、冷えた飲み物ばかり飲むと、胃に負担がかかったり身体への吸収が遅かったりします。温かい飲み物も交えて、1回150ccから200ccの水分を、複数回に分けて摂取することがおすすめです。
なお、アルコールやカフェインを含む飲み物には利尿作用があり、水分排出を促します。お酒やコーヒー、緑茶を飲むときは、アルコールやカフェインを含まない水や麦茶を多めに補給することが大切です。

1日3食の食事を摂る

忙しい朝は、朝食を抜いてしまうことがあります。
熱中症の予防には、1日3食をバランスよく食べることが大切であり、とくに朝食をしっかり食べることが重要です。
朝食は、寝ている間に消費されたブドウ糖を補い、脳と身体を目覚めさせます。
また、暑い日が続くと食欲が出なかったり、冷たい麺類に食事が偏ったりすることがあります。
一方で、さまざまな食材を取り入れ栄養バランスの整った食事を意識することで、体力と免疫力が向上し、熱中症を予防できるのです。

熱中症時に補給したい栄養素

熱中症になってしまったら、どのような栄養素を摂取すればよいのでしょうか。
以下で、熱中症の症状改善に効果を発揮する栄養素について解説します。

カリウム・ナトリウム(塩分)

カリウムとナトリウムは、体内で浸透圧を調整するミネラルです。
汗には水分だけでなく、カリウムやナトリウムも含まれます。つまり、多量に汗をかくことでカリウムやナトリウムが身体からどんどん排出されてしまうのです。
カリウムやナトリウムは体内で作り出せないことに加え、不足すると食欲不振や倦怠感などさまざまな体調不良につながります。

そのため、熱中症になったときはカリウムとナトリウムを補うことが大切です。

ビタミンB1

ビタミンB1は、疲労回復効果が高く、糖質や乳酸を分解してエネルギーに変換する働きがあります。
夏は麺類やアイスなどの糖質を摂取する機会が増え、糖質の分解にビタミンB1が多く使われるため、不足しやすい栄養素です。また、ビタミンB1は体内に蓄えられず頻繁な摂取が必要であることも、不足しやすい原因です。
ビタミンB1が不足すると、体内でエネルギーがうまく作られず、熱中症からの回復に時間がかかります。

熱中症のときは食事や栄養ドリンクによるビタミンB1のこまめな摂取がおすすめです。

ビタミンC

ビタミンCの不足は、野菜や果物の摂取不足や、暑さのストレスによる大量消費などが原因で起こります。
熱中症の予防や症状改善のために積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンCはビタミンA、ビタミンEと合わせて摂取することで、相乗効果による抗酸化力向上が期待できます。カラフルな食事を意識すると自然な摂取が可能です。

クエン酸

クエン酸は、レモンを代表とする酸味のある食材に含まれます。
クエン酸の役目は、食事で摂取した栄養や体内に溜まった乳酸をエネルギーに変えることです。この仕組みは「クエン酸回路」と呼ばれます。
クエン酸が不足するとクエン酸回路が機能しなくなり、栄養素を効率よくエネルギーに変換できなくなります。
すると、熱中症の症状改善がエネルギー不足によって遅れてしまう可能性があるのです。

クエン酸を含む食べ物は、疲労回復効果のほか、爽やかな酸味による食用増進効果があり、熱中症や夏バテのときでも摂取しやすい栄養素といわれています。

たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、身体を構成する重要な主成分です。良質なたんぱく質は熱中症の症状改善や予防に効果が高く、体内で作り出せない必須アミノ酸を多く含むことが特徴です。
たんぱく質は血液量を増やし、体外へ熱を放出しやすくする効果があるため、熱中症のときは食事やサプリメントで摂取することをおすすめします。
たんぱく質の不足は、筋肉量の減少や体力低下の原因です。日頃から意識して食事に取り入れることが大切です。

熱中症対策に効果のある食べ物

熱中症対策に効果のある食材は、身近に多く存在します。
以下で、熱中症対策に最適で栄養素が豊富に含まれている4つの食材を紹介します。
ぜひ積極的に取り入れて、熱中症予防に役立ててください。

ビタミンB1が豊富な豚肉

豚肉はビタミンB1の宝庫といわれ、たんぱく質も豊富に含む食材です。
豚肉は100gあたりのビタミンB1の含有量が非常に高く、鶏肉や牛肉と比べて5倍から10倍多く含まれるといわれています。
ビタミンB1は疲労回復への効果が高いため、豚肉は夏バテ防止や熱中症予防に適しています。
また、豚肉は年間を通して価格の変動が小さく、調理法や味付けなどでアレンジしやすい、大変優秀な食材です。

夏バテ予防にもよいウナギ

ウナギは、真夏の暑さに負けないスタミナ食材として昔から広く知られ、ビタミン類が豊富です。とくにビタミンB1とビタミンB2を多く含み、疲労回復に高い効果が期待できる食材です。
ビタミンB1とビタミンB2は皮膚や粘膜の健康を保ち、免疫力を上げる効果があるといわれています。
また、紫外線で生じる活性酸素に対抗するビタミンAとビタミンCも豊富に含有するため、屋外で活動した日の疲労回復にはウナギ料理がおすすめです。

カリウムが含まれる野菜や果物

生の野菜や果物に含まれるカリウムは、とくにモロヘイヤに多く含まれます。
夏野菜には身体を冷やして体液を補う特性があるため、きゅうりやトマトなどの食材を一緒に摂ると熱中症対策として効果が高まります。
ビタミンB1が多く含まれている「ぬか」と野菜を組み合わせた、野菜のぬか漬けもおすすめです。ぬかには塩分も豊富に含まれているため、熱中症対策にもぴったりです。
ほかにも、カリウムを多く含む食材は以下のものがあります。

• ほうれん草
• さといも
• バナナ
• 大豆 など

塩分やクエン酸を含む梅干し

熱中症対策には、梅干しが効果を発揮します。
梅干しにはカリウムをはじめ、リンやナトリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。また、塩分も豊富に含まれているため、汗で失われた栄養素を効率よく補えるのです。
さらに、疲労回復に効果の高いクエン酸も、梅干しに多く含まれます。

ただし、熱中症対策として梅干しを食べる際は、水分の摂取も大切です。水と梅干しを一緒に摂ることで活性酸素を除去する酵素が活性化し、失われた塩分やミネラルを効率よく摂取できます。

まとめ

近年、異常な猛暑で熱中症になる人が急増し、毎年のようにテレビや新聞で報道されています。
一方で、適切な予防法や対処法を知っておくことで熱中症の予防は可能です。
熱中症に効果のある栄養素や食べ物を把握しておくことで、日常生活での対策や熱中症の症状改善に役立てられるでしょう。

熱中症は対処が遅れると重症化し、死に至る可能性がある病気です。
熱中症かもしれないと少しでも感じたときは、早急に医療機関を受診しましょう。

記事監修


齊藤純
さいとう内科クリニック
大阪大学医学部を卒業後、腎移植に携わりたいと考えて大阪大学医学部附属病院の泌尿器科に入局し、大学病院や総合病院に勤務。
その後、2014年2月にさいとう内科クリニックを開院。


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